回転数制御機能付きポンプがフォルクスワーゲンのエネルギーコスト削減に貢献

ドイツ、ザルツギッターにあるフォルクスワーゲンのエンジン生産拠点。そこでは清浄なクーラント液(LCF)の需要に加え、ホーニングシステム用のLCF濾過技術を改善するため、グルンドフォスのインバーター制御付きNKポンプが導入されました。その結果、クーラント液の品質向上とエネルギー削減を実現しました。

Heinz Maier, Industry Division, Key Account Manager Automotive, Grundfos GmbH, Erkrath

ザルツギッター工場では、320,000 m²の敷地内で一日あたり最大7,000台のエンジンを生産しています。また、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン、そして工業用エンジンやマリンエンジン、コージェネレーションエンジンに至るまで、その種類は370以上に及びます。また、製品レンジは幅広く、3気筒から16気筒まで、出力は55kW~736kWに及びます。

ザルツギッター工場には、鋳物部品やインゴットからエンジンブロックやシリンダー、カムシャフト、クランクシャフトなどを製造するため、研磨機やフライス盤、旋盤、マシニングセンターなど約6,200の工作機械を保有し、幅広い種類のエンジン製造を実現しています。また当工場では、吸込みマニホルドやオイルパン、フライホイール、送水ポンプなど様々なエンジン部品も生産しています。これらの部品が12もの組み立てラインを通過したのち、エンジンが完成するのです。

2台のNKポンプにより、一分あたり1,000ℓものクーラント液がホーニングシステムへ供給されます。

台のNKポンプにより、一分あたり1,000ℓものクーラント液がホーニングシステムへ供給されます。

ホーニング加工に必要不可欠なクーラント液
ニルス・ステファン・バング氏は、過去11年間にわたりザルツギッター工場のエンジン生産計画の改善に取り組んできました。彼はチームメンバーと共に、金属の削りくずを含む水溶性切削油のスムーズな処理方法を模索し、冷却水やLCF、圧縮空気といった様々な媒体を絶え間なく処理できる方法を開発してきました。

ザルツギッター工場の機械加工工程では、120以上のシステムが約6,000 m³にわたり絶えずクーラント液を循環させています。それに加え、約100トンの金属の切りくずを毎日回収しなければいけません。

ニルス・ステファン・バング 氏は、単にLCFシステムの計画だけに取り組んでいるわけではありません。最新技術の採用だけでなく、革新的なエンジン設計、そして既存システムを新しい規制に対応したものにすることなど、彼の日常業務は多岐に及びます。

4シリンダーのクランクケースタイプを改良したものがこのホーニングシステムです。このシリンダーのクランクケースは、組み立てのあとエンジンのシリンダーとクランクシャフトを操作する重要なエンジン部品で、表面品質に特に厳しい基準が求められます。ニルス・ステファン・バング 氏は、研磨仕上げとしてホーニング加工をすることでエンジンの摩擦損失を和らげ、超微細なクロスグルーブ構造によって次に続く処理で油膜の破壊やモータオイルの粘着の発生を防ぐことができるのだと言います。

これによってホーニング処理で要求されるクーラント液の清浄度を高めることができます。クーラント液は間接的にエンジンの品質に影響を与えます(たとえばその性能やコストパフォーマンス)。そして研磨処理(摩擦損失)の方法を改善することで、耐久性の向上につながるのです。

クーラント液の品質を改善するため、さらに自動逆洗フィルタが取り付けられました。それに加え、細かい微粒子を取り除くため、回転遠心分離機にバイパスモードが設定されました。

LCFシステムのこれらの改善は、設置されるLCFポンプの種類に影響を与えました。たとえば、機械加工で出る鋳鉄の粒子は比較的重く急速に沈むため、冷却用ダクトを詰まらせる可能性があります。このような理由から、冷却液は高圧下で早い速度で処理しなければいけないのです。

ニルス・ステファン・バング 氏は次のように言います。「供給側として、私たちはホーニングシステムを”ブラックボックス”だと捉えています。これは、私たちに求められることが、可能な限りエネルギーを節約しながら必要な要件を満たすクーラント液を作りだすことだということです」今回の場合で言えば、3.5バールの吐出圧力と25℃で1,000リットル/分のポンプ能力です。

回転数制御機能がフレキシビリティを生み出す
2011年5月、フォルクスワーゲンは当工場に標準型NKポンプを二台導入しました。また同時に、PLC制御システムとプロフィバス接続をするため、グルンドフォスのCUEインバータ(37kW)とCIU150コミュニケーションインターフェイスも導入しました。

なぜそれらのポンプに回転数制御機能が必要なのか?

ニルス・ステファン・バング氏は次のように言います。「このようなシステムが”呼吸”のように調節ができれば、大きな効果をもたらします。インバーター制御付きポンプは、流量や吐出圧力をフレキシブルに調節する事ができます」つまり、常に限られた時間内に指定された速度で運転し、さらに様々な工程で繰り返し使用することが可能なのです。「インバータ制御付きポンプによって、様々な運転状態のシュミレートが簡単になりました」これは、クーラント液の熱放出にかかるエネルギー削減に多大なる貢献をしました。

今回の場合、高圧クーラント及びエアやLCFダクトを使用して加工物を噴射する”Knoth box”と呼ばれる方法で洗浄されます。また、10~15分の固定インターバルでポンプが運転するよう設定されています。

NK/NKGポンプはカップリングガードが標準装備されています。

NK/NKGポンプはカップリングガードが標準装備されています。

その他の特長
インバーター制御付きポンプは、工場が操業を止めている週末などでも効果を発揮します。クーラント液が使用されずに運転を止め長時間そのままにしておくと、微生物汚染が増す危険性がありますが、インバーター制御付きポンプがプロセスを調整することで、エネルギーを浪費せずに汚染を防ぐことができるのです。

これまでのところ、フォルクスワーゲンの濾過システムの約10%にインバー制御付きポンプが導入されています。ニルス・ステファン・バング 氏は、システムの約30%にインバーター制御付きポンプを設置することで経済的に効果を生み出すのだとしています。インバータ付ポンプと定速ポンプを比較すると、エネルギー削減だけでなくその他様々なメリットがあります。

  • インバータの配線はシンプルである(インバータ付の最大22kWグルンドフォスMGEモータを使用した場合)
  • 規定値を満たすため、エネルギーを要するバルブ制御やラインスロットル、転送ポートは不要である。
  • 製造ラインのレイアウト変更の際に時間がかからない。
  • グルンドフォスR100赤外線遠隔装置やパラメータ調整装置によって、各ポンプの運転状態データの保存、変更、モニターが可能になる。
  • システム起動に圧力の急激な上昇がなく、部品の寿命を延ばすことにつながる。
  • 規定値・設定値は簡単に調整可能である。

標準型とエドサクション型
今回の場合は、標準ポンプが選定されました。標準ポンプは、サービスやスペアパーツ、保守の面でユーザーに様々なメリットをもたらします。この工程設計では、ポンプハウジングや配管を分解することなく、カップリングやベアリングブラケット、インペラーを簡単に取り出すことができます。メカニカルシャフトシールは、EN12756基準を満たしています。

スペーサーカップリングはNK/NKGポンプの標準装備されており、保守と修理の手間を省きます。

スペーサーカップリングはNK/NKGポンプの標準装備されており、保守と修理の手間を省きます。

様々なハウジング部品(鋳鉄、ステンレス鋼、デュプレックス)やガスケット部品を使用しているグルンドフォスのNKGやNBGポンプは、EU基準:EN22858に準拠しているだけでなく、NBエンドサクションポンプは欧州基準:EN733にも準拠しています。

NK/NKGポンプには、スペーサーカップリングが標準装備されています。ポンプやガスケットの保守や修理が必要な時に、ポンプ及びモーターはベースプレートに取り付けたまま、モーターを分解することなくカップリングを取り外すことができます。ポンプハウジングからシャフト/インペラー一式を取り除き空きスペースができれば、再度取り付けができます。これは作業者ひとりで対応できます。スペーサーカップリングを使って、ポンプシャフトとモーターシャフトを再芯出し調整する必要はなく、ダウンタイムにるコストの削減を実現します。

横浜ゴムの省エネ診断

既存ポンプの入替で50%以上の電力コスト削減に成功

詳細
close

める

250